不可能を可能にする、地盤改良の新しいスタンダード
エポコラム工法(籠式複合相対回転攪拌工法)は、軟弱地盤のみならず硬質地盤においても良好な改良攪拌施工の確立が重要な課題と考え、剛性の高い撹拌翼形状と低速回転・高トルク型の籠式複合相対攪拌翼の開発によって、従来では施工適用外とされていた硬質地盤や密礫層、転石混在層、固結層、支持基盤層への貫入攪拌施工に加え地中残存物の破砕撹拌同時施工を可能としました。
エポコラム工法の籠式複合相対攪拌翼は、従来工法に無い3つの大きな特徴を有します。
1. 他の追随を許さない優れた混合撹拌性能
2. 工期・コストの削減を可能とした大口径改良
3. 改良施工の常識を覆す硬質地盤対応型
籠式複合相対撹拌翼は外翼、中翼、内翼で構成され、二重管構造のケーシング機構によりそれぞれが逆方向に回転することで、従来工法の「混合作用」に併せて「練りこみ効果」を発生し三次元的に攪拌混合を行うことが出来る唯一の工法です。
撹拌翼の縮小模型による「色砂による撹拌翼の撹拌性能試験」の結果を見て頂くと、籠式複合相対撹拌翼は撹拌翼の内部において上下左右の色砂を万遍なく混合されているのが判ります。
「練り込み効果」が加わることで改良が困難と言われてきた粘着力の強い粘性地盤においても高品質な改良体を築造することが可能となりました。
また、撹拌翼の外側の色砂がほとんど乱されていないことで、実際の改良施工において改良土の撒き出しが少なく、側方変位が極めて小さく、近接する構造物に影響を与えることなく施工出来る低変位型の改良工法といえます。
従来工法では改良径ø600㎜~ø1600㎜での改良コラム配置が多く、基礎フーチングが大きい構造物や布基礎、べた基礎などの改良面積が大きな場合には、改良本数が多くなり施工日数も長く掛っていました。
エポコラム-Loto工法は、改良コラム径ø1800㎜~ø2500㎜の大口径改良によって施工本数を劇的に減らすと同時に工期の大幅な短縮によるコストの削減を可能にしました。
構造的にも改良径を大きくする、或いはラップ配置にすることでたわみ指標である断面2次モーメントを大きくすることができ、常時の偏土圧による水平力、地震時の水平力による曲げやせん断に対してより丈夫で安全な改良地盤とすることが出来ます。
沖縄 山田小中学校校舎改築工事(改良径ø2500㎜)
京都 洛陽総合高等学校校舎建替計画
(改良径ø2200㎜)
●改良施工が可能となった硬質地盤
地盤改良は「軟弱地盤にしか適用出来ない」と思われていた常識をエポコラム工法の硬質地盤対応型が覆しました。
例えば、玉石混りの砂礫層、N値が10以上の硬質粘土層、盛土の埋め戻し材に岩砕や鉱砕スラグなどで埋め戻されている場合、傾斜支持層地盤への根入施工など、今まで無理と思われていた地盤において改良施工が行われています。
東日本大震災の復興工事には大規模な切盛土による造成が行われ、泥岩、頁岩からの岩砕による盛土地盤の改良にエポコラム工法が採用されています。
●エポコラム各工法の適用地盤
エポコラム工法・エポコラム-Taf工法
撹拌能力 ※1) | 支持層への根入れ能力 ※2) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
砂質土 | 粘性土 | 礫質土 | 砂質土 | 粘性土 | 礫質土 | 風化岩 |
N≦40 | N≦20 | N≦40 | N≦50 | N≦20 | N≦50 | N≦50 |
エポコラム-Loto工法・エポコラム-Taf工法
コラム径 | 撹拌能力 ※1) | 支持層への根入れ能力 ※2) | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
砂質土 | 粘性土 | 礫質土 | 砂質土 | 粘性土 | 礫質土 | |
ø1800㎜ | N≦40 | N≦12 | N≦40 | N≦50 | N≦20 | N≦50 |
ø2000㎜ | N≦35 | N≦8 | N≦35 | N≦50 | N≦20 | N≦50 |
ø2500㎜ | N≦30 | N≦6 | N≦30 | N≦40 | N≦12 | N≦40 |
※1)撹拌能力として砂質土、礫質土、玉石混り層(混入率30%程度以下)においては、N値40~50程度の地盤がレンズ状または互層状(1.0~2.0m程度)に分布する場合は施工可能である。又、中間層に転石(ø300㎜程度以下)が点在する場合でも撹拌混合が可能である。
※2)支持層への根入長としては、上記のN値で0.50m~1.00m程度とする。
砕石場跡地での改良施工
震災復興工事に伴う岩砕盛土地盤の改良
硬質地盤に対応した籠式複合相対撹拌翼だから出来た、地中残存物の破砕撹拌と改良撹拌による改良コラム築造の同時施工をエポコラム-Taf工法は実現しました。
適用する地中残存物は構造物の解体後に残された既成コンクリート杭、コンクリートガラ、セメント改良地盤であります。
構エポコラム-Taf工法は、既存杭や薄い基礎底盤を細かく破砕しながら同時に改良体を築造出来る地盤改良工法で、唯一公的機関において技術審査証明を取得しています。
エポコラム工法は、技術審査証明事業(各審査機関が依頼者の申請に基づき、新技術の技術内容を学識経験者等により審査し、客観的に証明する事業)において、建設技術審査証明協議会14機関の中の「財団法人 先端建築技術センター」よりスラリー式機械攪拌工法の審査証明としては、国内で最初に技術審査証明書を頂きました。
以下に平成23年3月30日に審査証明された内容を記載しました。
特筆すべきは、既存杭の破砕と同時に改良体を築造出来るという今までの実績が認められ、地盤改良では唯一証明を得られた工法であるという点です。
- ①
- エポコラム攪拌翼の攪拌形態は、低速回転で強制的な練り込み作用を持つ強力で三次元的な攪拌性能を有し、均一で良好な攪拌混練が可能であること。
- ②
- 中間層としてレンズ状または互層状に分布するN値40~50程度の砂礫および玉石混じり層(混入率30%程度以下)、固結した砂質土、転石(ø300㎜程度)が点在する場合でも削孔・攪拌改良が可能であること。適用コラム径:ø1,500~ø1,800
- ③
- 中間層としてレンズ状または互層状に分布するN値20程度の洪積粘性土層の削孔・撹拌改良が可能であること。適用コラム径:ø1,500~ø2,000
- ④
- コラム径D=2,500㎜(コラム面積A=4.909㎡)による施工が可能であり、コラム径ø1,000×2軸およびø1600の標準歩掛に対して工期短縮とコスト削減が可能であること。
適用地盤:砂・礫質土N≦30~35、粘性土N<6~8 - ⑤
- 軟弱地盤において、二軸機械(接円でコラム面積 A=4.021㎡)による施工が可能であること。
- ⑥
- 地盤改良施工において障害となる地中残存物の破砕撹拌を行いながら、同時に同一工程で地盤の削孔と撹拌改良を可能とすることにより、施工の効率化と廃棄物の発生の抑制が可能であること。
適用地中残存物:既製コンクリート杭、コンクリートガラ(ø300㎜程度)、セメント改良地盤 適用コラム径:ø1,500~ø2,500
▶国土交通省の公共工事における技術活用システム『NETIS』(準推奨技術)
▶東京都建設局 新技術情報データベース
▶東京都港湾局 新材料・新工法データベース
▶(社)農業農村整備情報センター 新技術データベース